オレンジの陽     希望の笑顔

数少ないチャンスは  逃すなんて出来ない

陽の光に照らされて -2-

翌々日の部活。

「乾メニューの終わった者から休憩に入ってよし!4時45分にAコート集合!!」
「はい!!」


そうして、みんな順々に休憩に入っていった。
僕と桃城は珍しく同時にメニューが終わった。


「不二先輩!今から休憩っすか?」

「そうだよ。水を飲みに行くところ。」

「あ、俺も行くとこっす。越前の奴、さっさと一人で行っちまったんすよ。」

「あはは。越前は一人で静かに過ごしたいんじゃないかな。」

「先輩〜。それ、どういう意味っすかー!?」

「ん?そのままの意味だけど。」

「そりゃないっすよ…」

ちょっとからかい過ぎたかな。


こんな会話をしながら水飲み場まで来た。
すると、ちょうどその近くをさんが通りかかったんだ。

僕は思わず声をかけた。
昨日は見かけることすら なかったからね。


さん!」

「あ、不二くん。」


そう言って君は、いつもの笑顔でこっちを向いてくれた。


「見に来てくれたんだ?」

「うん。用事もなかったし。それにしてもすごいギャラリーだよね。」

「んー、そうかな。いつもと同じだと思ってたけど。」

「あはは。男テニの普通なんだ、この多さは。」

「でも、近頃は増えてきたかな。みんな活躍してるからね。」

「そうだよねー。スーパールーキーもいるみたいだし。」

「越前のことだね。さんも注目してるんだ?」

「やっぱり、噂になってるしね。」


さんの口から僕以外の男子の名前が出てくると、あんまりいい気はしないね。
僕って、独占欲が強かったみたい。



「集合!!」
手塚の声が響いた。


「じゃあ、もう行くね。あ、話したいことがあるから、終わったらここで待っててくれないかな。」

「うん、いいよ。見ごたえあるから最後まで見てると思うし。」


さんと別れてコートへ向かっていると桃城が声をかけてきた。


「不二先輩!さっきの女の子、もしかして彼女!?」

「あはは。違うよ。元クラスメート。」

「でも、それだけじゃないっすよね。」

「ふふ。どうかな。桃城の方はどうなの?不動峰の橘の妹さん。」

「え!いや、あいつは別にっ!!」

桃城って案外からかいがいあるんだ。



そうして、部活は再開された。

やっぱり、気になるものなんだね。知らない内にさんを目で探してしまうんだ。
目が合えば、君はあの笑顔をくれる。

この笑顔を自分だけのものにしたい、だなんて言わない。

けど、いつでも見られる距離にいたいんだ。
そして、あらゆるものから守りたい。

こんなこと、どんなに想っていても伝えなきゃ意味ないんだけどね。

僕は、想いを伝える意志をさらに強くした。



部活終了後。

「不−二。」

「英二。どうかした?」

「んーん。何か不二がいつもと違ったからさー。」

「そう?いつもと同じだと思うけど。」

「うんにゃ、違うよ。
何かねー、いつもにも増してにこやかというか、調子良さそうだった!」

「あー。確かに調子は良かったかな。」

「でしょでしょ!俺ってけっこう観察眼鋭いかも。」

「はは。じゃあ、それを試合で生かさなきゃね。」

「もっちろん!」


僕も案外分かりやすい性格だったみたいだね。
この分じゃ、手塚や乾達も気付いてるだろうな。
まあ、理由を知ってるのは僕だけだろうけど。


僕は急いで着替えると、さんの待っている水飲み場へ向かった。

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